目に見えるものだけが脅威とは限らない 悪の教典
この物語の主人公は蓮実聖司。
表向きは高校の教師をしており、他の先生や生徒から厚い信頼を得ている。
しかし彼の本性は、自分の思い通りにいかない人間を排除しようとするサイコパス。
排除することに対して、善悪の感情がなく、ためらいなく人間を排除しようとする。
最初のうちは、主人公の狂気に気づかずに普通に接するが、少しずつ、彼の異変に気付き始める。
私たちの日常に潜んでいると思うと非常に怖い。
しかし、この主人公のような人間だけでなく、このような脅威は日常に潜んでいる。
例えば、昨今、話題のブラック企業があげられる。
企業の利益を最優先し、社員の人権を踏みにじる組織。
組織の利益を優先しない社員は、組織の敵とみなされる。
組織が全てだと洗脳されるか、組織外に排除されるかの二択。
要するに、組織という見えないものではあるが、自分の思い通りにするという点においては、この作品の主人公と通ずるものがあると思う。
私たちは、この日常に潜む脅威を認識し、全てが正しいことではないと知ることが大切であると思う。
この作品は、そんな脅威を知ることができるスリル満点の作品だと思う。