読書の春

心に伝わる本、紹介しています。あと、読書に関する雑談などもしていきます。

何度繰り返しても、大切なものは変わらないのかもしれない

 

誰でも、過去に戻って人生をやり直したいと思うことがあると思う。少なくとも、私はやり直したいと思っていた。過去に戻ったら、センター試験をやり直したいとか、告白できなかった人に告白するとか、いろいろなことをやり直したい。私はいつだって、過去にとらわれたいた。でも、まぁ今の自分も悪くないかと思わしてくれる本に出会った。f:id:haruta-no-dokusho:20170906225508j:plain

 

森見登美彦さんの四畳半神話大系という小説である。この小説の主人公は、京都にある大学に通っている。4つの平行世界でそれぞれ異なる学生生活を送るのだが、どれも冴えない生活を送っている。どの世界線でも、主人公の周りにいる人間はあまり変わらない。主人公を含め、彼らは本当にしょうもないことばかりをしている。そんなしょうもないことをしている主人公は、どの世界線でも彼にとって大切なことに気づくことができず、見逃しているのだ。面白いことに、どの世界線でも彼の大切なことは変わらない。彼にとって大切なことはなんのなのか。それぞれの学生生活にどのような意味を与えるのか。是非、手にとって、読んでもらいたい。

 

もし、私が人生をやり直したら、今とは違う選択をし、異なる人生を送っているのかもしれない。でも、異なる人生を送っても、私の根幹にある大切なものは変わらないのかもしれない。なぜならば、紆余曲折を経て、きっと同じ大切なものにたどり着くのだと思う。そんな新しい世界観を教えてくれた本である。

 

だから、今の人生も悪くないなぁと思える。

 

拙い文章をここまで読んでいただきありがとうございます。あなたにとって、大切な本を見つけるきっかけになれたらとても嬉しいです。これから、私の好きな本を紹介していこうと思います。