ルールが全て正しいとは限らない 『オーデュボンの祈り』
伊坂幸太郎さんの作品、『オーデュボンの祈り』。
主人公は、江戸時代から閉鎖された島にたどり着く。
その島の名は、日本列島の近くにある荻島。
荻島に住む住人たちは、独自のルールを守っていた。
ルールを犯したものを殺してもよい。
島の外に出てはいけない。
ルールの違いに困惑する主人公。
そんな彼の目の前に現れたのは言葉を喋るカカシだった。
この物語は、私たちが当たり前としているルールが通用しない世界。
いつの日か、このルールが日常になった場合、私たちはどうやっていけばいいのかを考えさせられる作品。
今回は本の内容というよりも私たちが普段守っているルールについて。
私たちはルール(法律なども含む)という枠組みの中で生活している。
小さい頃から、ルールは守るものだと教えられてきた私たち。
何の疑いもなく、ルールは絶対的なものであり、破るものは悪いことだと言われ続けてきた。
ルールは全て、正しいことなのだろうか。
もし、近い未来に私たちが信じて疑わなかったルールが違うものになったらどうなるのだろうか。
逆に、今現在から歴史を振り返ると、今では想像することもできないルールを知ることができる。
要するに、ルールとは時代ごとに、あるいは属するグループの性質ごとに適したもの。
誰もが人間らしく生きるための必要不可欠なものである。
そのルールの枠組み外にいる人間にとっては、違和感を感じるであろう。
その違和感が、やがて悪いことであるとみなされることもある。
だからこそ、人種差別も戦争も終わりが見えない。
私が言いたいことは、ルールが統一されていないからいけないとか、ルールということ自体が悪いとか、と言いたいのではありません。
世界にはたくさんの人間が存在します。
考え方も千差万別。
そこには無数のルールがあります。
全てが正しいと、思うことは無理な話です。
理解できないルールを頭ごなしに否定するのではなく、きちんと調べて、ちゃんとした自分の意見を持つことが大切だと思います。