偶然の選択 『終電の神様』
阿川大樹さんの作品、『終電の神様』。
事故で緊急停車した夜の電車。
ダイヤルは乱れ、乗客は不満を募らせる。
早く家に帰宅したい、この後の約束は間に合うのだろうかと思う人たち。
緊急停車による時間の遅れは、人の予定を狂わすかもしれない。
でも、そういう人だけではないんだ。
時間のずれで、思いがけない巡り合わせが生じ、
自分が辿るはずだった道とは違う別の道が現れることもある。
人生はいつも選択の連続である。
偶然の選択にせよ、そこから選択し直せばいい。
そんことを考えていると、ある文を思い出す。
“人生とは、いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる、連続する刹那”という一文。
この文は、『嫌われる勇気』という本に出てくる。
本当にその通りだと思う。
どんな結果が目の前に現れても、今を愉快に生きれればいい。
そんな心構えを持っておけばいいのかもしれない。
話は逸れてしまったが、前述したように、緊急停車したことによって、人生のターニングポイント変わった7編の物語。
少しのずれで、知ることのなかった相手の一面を知ることができたり、
決して逢うことのない人と巡り合ったりする。
どの話も心に染み渡る物語です。
ページ数も300ページなので、すぐに読むことができます。