自分の道を決めるのは、いつだって私自身なのだ 『子どもたちは夜と遊ぶ』
辻村深月さんの作品、子どもたちは夜と遊ぶ。
誰かを裏切ったり、
誰かを傷つけたり、
自分を偽り続けたり、
生きていく上で誰しもが出くわす、罪の意識。
自分が犯した過ちを正すため、私たちは日々、カルマを背負って生きていく。
罪は巡り巡って、何らかの形になって私たちのもとへと帰ってくる。
罪とは私たちがこの社会で円滑に生きていくためのルール。
しかし、偶発的に起こしてしまったり、生きていくために仕方のない罪の場合は同じように裁かれるのだろうか。
そんな、どうしようなもない理不尽と向き合う物語。
不幸で、不器用で自分が犯してしまった罪に苛まれる全ての人たちへ。
普通の人のように生きていくのは難しいかもしれない。
小さくて見失ってしまうかもしれない。
だけど、必ず希望はあるんだ。生きていてもいいんだというメッセージがそこにはある。
辻村深月さんの小説は、どんなに絶望しても、どこかに光はあるんだよと語りかけている気がします。
私達がいつも正しいと思っていることは、必ずしも正しいとは限りません。
間違っていることと、正しいことは、表裏一体の関係性。
本質を見抜く力を小説から教えてもらっているのかもしれないですね。