あなたにとってのメジャースプーンはなんですか ぼくのメジャースプーン
辻村深月さんの作品、ぼくのメジャースプーン。
他人が決めたものさしで人を選ぶのではなく、自分がいいなと思った人を慕う主人公。
大切な人が傷ついたとき、主人公は理不尽と闘う。
自分にとって本当に大切なものはなんなのかを考えさせる作品。
他人に異分子と思われるのが怖く、決して自分の考えを主張することができない自分。
ひたすら、安定を求めて、自分らしさを捨てる。
一見、平和的な解決に見えてしまう。
そんなまやかしも、あるとき音を立てて目の前から消えて無くなるのだ。
自分というものがわからなくなり、本当に大切なものを失う。
今、私に必要なものは他人の評価ではない。
自分が自分らしくいられる大切な人を見つける目を曇らせないこと。
そんな当たり前の事を当たり前にできなくなった社会。
そんなことを教えてくれたのが、この小説でした。